竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)司馬遼太郎 ¥ 620 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
竜馬がゆく〈1〉 (文春文... | |
| 父や弟が呑むと、「読め!!絶対読め!!!」としつこく、しらふの時には「これを読んだらほかのものが読めなくなるからまだ読むな」というので、どっちやねん!と気になりながらも読むタイミングを計って30年。 竜馬の亡くなった年齢と同じ年になったのを機に、解禁しました。 ほんとうに面白くて、連休中に、どこへも行かず、TVもつけず、全巻一気に読破しました。 いつの間にか、私も呑むと、以前の父や弟と同じことを言ってしまっていたのには思わず笑ってしまいましたが。命や愛がなによりも大切と刷り込む現在の風潮がどれだけつまらないかが本書を読むとよくわかる。 命なんぞくれてやるわ、と思える何かがあることの猛々しさ凛々しさは他の何をも寄せ付けない強烈な魅力がある。 司馬さんの作品の素晴らしいところは、人物が登場する場所柄や時代背景の小噺雑学を随所に織り交ぜ人物を登場させた頃にはしっかりとした背景が出来上がり何を元にそれぞれの人物が思考しているかがよくわかるように作ってあることだ。 今回のキーは土佐藩山内家というのがいかに成り立ったか、いかに郷士と上士では扱いが違うか、またなぜ長州藩と薩摩藩がここまで反幕なの... | ||
坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)司馬遼太郎 ¥ 670 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
坂の上の雲〈1〉 (文春文... | |
| 明治維新直後の新しい世界にたくましく生きていく3人の男の姿に 素直に心惹かれます。 秋山兄弟に正岡子規。後からみればまったく性格の異なる3人ですが、 世に出るきっかけは、現状を改善したい、自立したい、できれば名を成したいという 同じような動機だったというのがおもしろいです。司馬遼太郎さんの作品を初めて読み始めてますが、まずは一巻ということで、主人公たちの幼少時代から入ります。明治初期の幼い主人公達が立身主義の日本で学問を学ぶ姿が 克明に書き記されており、非常に情景を思い浮かべやすいです。 日本の歴史書としては、非情に勉強になります。 ただまだ一巻ということでこれといって、読み入る部分はまだ出てこないため、次巻に期待。ギリギリの生死を賭けた男たちの生き様を描いた小説です。 大筋は史実に基づいていますので(刊行後に明らかになった新事実 もありますが)、旅順攻略の部分など読むのが辛い記述もあります。 海戦で勝つ部分など、やはり日本人として気分が高揚しながら 読めますが、ロシア軍は多大な死傷者が出ている訳ですから 勝ったからいい、という単純なものではないと感じました。 また、乃木の... | ||
竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫)司馬遼太郎 ¥ 620 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
竜馬がゆく〈2〉 (文春文... | |
| 北辰一刀流千葉桶町道場塾頭にまでなった竜馬も土佐へ・・・普通は安穏と自分の道場を開き町の尊敬を集め、というのが成り上がりコースな訳だが竜馬の頭にそんなコースは細すぎた。 軟弱だと思い込んでいた公家の、平然と命を張った密書運びに巻き込まれた竜馬は「男とはあれだ」と目をむく。が、いまだ己の道が見えない。 かたや土佐藩きっての大物武市半平太は勤王党をつくり参政吉田東洋を暗殺するまでにいたる。幼馴染として歩んできた二人の道が徐々にずれ始める。 「現実的」という一点が竜馬の関心事だ。 武市の暗殺計画にも「それで何か変わると思ったら大間違いじゃ」と袖を分かつ。 この本が面白いのは後の明治政府で政治家としての顔しか私が知らなかった名士たち歴然とした武士としてそれぞれの藩に存在する妙を感じることが出来ることだ。 板垣退助が土佐藩はじまって以来の手に負えない喧嘩武士だったことも知らなかったし、後の日露戦争総司令官大山巌が弥助として登場してくるのも驚かされる。そう考えるとこの時代と言うのは本当に濃密過ぎるほどの時代だ。 竜馬脱藩 ようやく日本人として歩みだす。 続く第二巻。主に故郷土佐での話が描かれ... | ||
竜馬がゆく〈3〉 (文春文庫)司馬遼太郎 ¥ 620 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
竜馬がゆく〈3〉 (文春文... | |
| この3巻の幕開けは岩崎弥太郎が飾る。後に三菱帝国を築き上げていく男だ。 が、彼の若い頃は悲惨と言わざるをえない貧困暮らし。それを時代が拾い上げた。 竜馬以外で倒幕後の算盤勘定をしていたのは彼だけではあるまいか・・・ 大名行列を見て「こんな愚劣なことをしていて喜んでいるようでは幕府も潰れるぞ」と直感したのは彼が一番早かったのではないか・・・と本書にある。異質の男だ。 人斬り以蔵を使い暗殺に躍起になる武市とその限界を見つつ勝海舟との出会いでわが道をハッキリと認識する竜馬。 「議論などはよほど重要なことでないかぎりしてはならぬと自分に言い聞かせている。議論に勝ったところで相手の名誉を奪うだけである」という一文には我が身を振りかえざるをなくもなる。 元々船好きの竜馬が勝に見込まれ己の道を猛進し始める。 勝と作る私塾の海軍学校を作るため松平春獄に金を借りにいくくだりが痛快だ。 「金くらいは集めてやる」という気概がたまらない。なにせただの浪人が殿様に金を無心に行くのだ。「世に生を得るは事を成すにあり」という竜馬の座右の銘が登場する。「たとえ目的が成就できなくてもその目的への道中で死ぬべきだ。生... | ||
竜馬がゆく〈8〉 (文春文庫)司馬遼太郎 ¥ 620 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
竜馬がゆく〈8〉 (文春文... | |
| はるか昔、NHKの大河ドラマで放映されていた。また、この作品が好きだという人の話も何回か聞いたことがある。でも、全8巻の大作に手をつけようとしなかった。 きっかけは、斎藤孝氏の「日本を教育した人々」を読んだことである。斎藤氏は、吉田松陰、福沢諭吉、夏目漱石と共に、司馬遼太郎を挙げた。日本の人々に歴史と生き方を伝えたということらしい。そこで、最もポピュラーな「竜馬がゆく」を読むことにした。そして、すっかりはまってしまった。 竜馬の33年間の生き様を生き生きと描ききっている。幕末の志士たち、竜馬の家族、友人達が多く登場する。ときどき、数十ページ、竜馬から離れ、別の人物の話が挿入されることもある。おもしろいのは、司馬遼太郎が、ナレーターのように作品の途中で、解説に出てくるところである。歴史的背景の説明や取材の裏話など。私は、この部分を大いに楽しんだ。 読後、伏見から京都へ、竜馬の足跡をたどる旅をした。若者のファンも多いことがその旅でも分かった。この小説はとにかく最高です。少し長いなぁと思える所も有りましたけど、この最終巻を読み終えるとそんな事はすっかり忘れていました。特に「この長い... | ||
竜馬がゆく〈4〉 (文春文庫)司馬遼太郎 ¥ 620 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
竜馬がゆく〈4〉 (文春文... | |
| それにしてもこの時代の志士達は尋常な神経ではやっていけない。 真剣で斬られる局面を幾度も切り抜けてきたものだけが幕末後の明治という世を見ることが出来た。 竜馬も例外でなく結局は斬られてしまうのだが、それまでに何度斬りすてにされそうになったか、両手でも足りないほどだ。 そりゃ胆力もつくわな。 土佐では、京都での長州失脚すなわち勤王派の勢力ダウンという時勢に変わった瞬間、山内容堂による土佐勤王党の弾圧が始まる。 そして竜馬の盟友、武市半平太は切腹させられる。 観念的な思想にもとづいて動いた武市と、現実的視点のみで動く竜馬との差が結局ここまでひらいてしまった恰好になる。 その点勝海舟という幕僚と竜馬は恐ろしいほどの共通点があった。耳を信じず己の目で見たものから思考する。 4巻でも思わずほろりと来る場面がたくさんあるが中でも、法螺と馬鹿にされても軍艦を手に入れるといい続けた竜馬がやっと本当に軍艦を一隻手にしたときの描写は笑いながら泣かせられる。陸奥とのやりとりも漫才のようで面白い。 「俺には仕事があって、生死などはない」は素晴らしい一言。 司馬さんの竜馬評も楽しい。 「竜馬ほどおしゃれ... | ||
竜馬がゆく〈5〉 (文春文庫)司馬遼太郎 ¥ 620 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
竜馬がゆく〈5〉 (文春文... | |
| p298に出てくる当時の竜馬の活躍を表した言葉「坂竜飛騰」。 まさにこの頃の竜馬をうまくあらわしていると思う。 竜馬、西郷という幕末の両雄がようやく出会い、一気に時代の流れが進んでいく第5巻、読み応え十分です。西郷隆盛と出会います。 世に出て何かをなす人というのは共通しているんですよね。 西郷隆盛は 「おのれを愛するなかれ」 が自己宗教であり、 「敬天愛人」という言葉を好んでいた。 また、どういう人間が大事業をなせるかを考えついに結論を得た。 「命も要らず、名も要らず、官位も金も要らない人は、始末にこまるものなり。 この始末に困る人ならでは、 艱難を共にして国家の大業は成し得られぬものなり。」 竜馬の語録では、 「世に生を得るは事を成すにあり。 人の事跡を慕ひ人の真似をすることなかれ」 となり、 独自性が強いみたいです。 ここら辺の違いがそれぞれの「道」を作っていくんですね。 大きな人達が出会い、時代をつくっていくんだなって感じられました。 司馬遼太郎の名作『竜馬がゆく』の第五巻。池田屋事件に禁門の変、時代を揺るがす大政変が続く元治の世を々しく描く。京都にお... | ||
竜馬がゆく〈7〉 (文春文庫)司馬遼太郎 ¥ 620 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
竜馬がゆく〈7〉 (文春文... | |
| 幕末物は新選組関連しか読んだことがなかったので、この作品を読むと同じ幕末時代に生きていたとは思えない程、さまざまな人物、思想、各藩の政治問題が書かれています。(時間を置いて読むと記憶を取り戻すのにちょっと苦労(汗)) なのでこの作品で幕末時代の生活がよくわかり、とても勉強になりました。(新選組はかなり閉鎖的な世界。私自身保守的なのでこちらの方が共感はしますが)薩長といえばお金があり改革派ということは知っていたのですが、長い間ずっと犬猿の仲で連盟するのにものすごく手間と時間がかかったことや、「海援隊」とは何をするか、どんな目的で結成されたか、どのような人物いたかが書かれており、この時代に幕府以外が貿易という考え方、行動をすると犯罪・死刑に値するほどのことなんて知りませんでした。(それを薩長はやっていたのでいわゆる密輸) この巻には「お慶」の章があるのですが、この人物は長崎きっての美人女商人38歳。(生まれはお嬢様)でまだ鎖国体制の25才の時に上海へ密航、その後日本茶の輸出で富を築き、一人身ながら大屋敷を持ち、着道楽、仏製香水までつけていて、彼女だけに限らず困難な時代でも努力はもちろん、... | ||
竜馬がゆく〈6〉 (文春文庫)司馬遼太郎 ¥ 620 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
竜馬がゆく〈6〉 (文春文... | |
| ついに不可能といわれていた犬猿の仲の薩長の手を握らせた竜馬。 どんな優れた交渉術をもっていたのだろうか、とても気になるところ。 明治という新しい時代の幕開けもすぐそこまでという第6巻。 7、8巻の終盤が楽しみです。 司馬遼太郎の名作『竜馬がゆく』の第六巻。遂に成った薩長の秘密同盟、その間を取り持った坂本竜馬一人の手によって維新の歴史が動かされていく。時期を同じく薩長連合を目論んだ土佐の英雄中岡慎太郎と共に、薩摩は西郷隆盛や大久保一蔵、長州は桂小五郎の繊細な心境を汲みながら、薩長をつないで行く竜馬の姿はまさに見事である。一度は同盟成立へ向けて薩摩を発った西郷も、時勢と世論に圧されて京都へ。怒った桂率いる長州を宥めつつ、再び舞台は京都。既に広まった志士坂本竜馬の上洛情報を知って、坂本竜馬の包囲網は大阪・兵庫にまで広がるが、そんな事に臆せず、大阪城代大久保一翁や新撰組藤堂の計らいの下、無事京都へ到着する。坂本竜馬の到着で、漸く西郷と桂が手を握った。 前巻辺りまでには余談や後日談などやや冗長な表現が続く事もあり、この巻も決してそれらが少ない訳ではないが、多くは薩長同盟の性格を知る上で必要不可... | ||
坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)司馬遼太郎 ¥ 670 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
坂の上の雲〈3〉 (文春文... | |
| 日露戦争開戦に向けての意思決定と開戦準備がテーマ。 当時大人と子供ほど国力の差があったロシアに対して、なぜ日本が開戦を決意するに至ったのか、当時の人々の深刻且つ切実な葛藤・決意が臨場感を持って伝わってきます(「このまま時が移れば移るほどロシア側に有利で日本側に不利です。今なら何とかなる。日本としては万死に一生を期して戦うほか、残された道はない」)。 国に対する愛情だけでなく客観的・冷静な彼我分析のもとに、日本がなけなしの総力を結集していく過程には思わず心が動かされます。 いよいよ日露戦争の戦いの火蓋が切られる第3巻。 前半部分では、戦争回避の努力もむなしくロシア側の理不尽な要求に追い詰められ開戦せざるをえなくなったプロセスが描かれています。当時の日本にとって大国ロシアと戦うことがどれだけ困難(無謀)なことだったかを思うと、大国から屈辱的外交を強いられた憤りを感じます。 中盤以降は日露戦争準備から緒戦まで描かれていますが、私が印象に残ったのは、さまざまな点で後の日中戦争、太平洋戦争との対比やそれらへの影響が垣間見えたことです。 例えば、開戦の段階で陸・海軍と政府があらかじめ戦争終結に向... | ||
坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)司馬遼太郎 ¥ 670 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
坂の上の雲〈2〉 (文春文... | |
| 日清戦争以降の時代の大きなうねりの中で、秋山好古、真之、正岡子規がそれぞれの境遇、立場の中で、感じ、行動する様の対比がおもしろい。 滅び行く清や、日本の前に立ちはだかろうとするロシア、そしてそのような状況の中で日本はどこへ行こうとしているのか、時代背景が手に取るように伝ってくる。この巻では主に、闘病しながら文筆活動を続ける正岡子規と、軍人として活躍を始める秋山真之を中心に描かれています。 正岡子規に関して小学校の教科書レベルでしか知らなかったので、過去の俳句や短歌を検証し、新たな作風を作り上げていった彼の功績を初めて知りました。それにもまして結核を患いながらも壮絶なまでに創作活動を行彼の執念に胸を打たれます。 一方、秋山真之という人物の資質は、欧米に追いつき追い越そうとする明治日本になくてはならないもののように感じます。「飛ぶが如く」で描かれた大久保利通もそうでしたが、この時代には物事に強烈なこだわりをもった人物が必要だったのでしょう。 なお、この巻の最後の章は、ロシアに関する記述になっていますが、欧米でもなくアジアでもないロシアという国の性格が見事に表現されていて、大変ためになりま... | ||
坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)司馬遼太郎 ¥ 670 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
坂の上の雲〈4〉 (文春文... | |
| ○読み始めたきっかけ 司馬遼太郎の歴史モノが好きで、その中でも経営者を中心に愛読者の多い、 「坂の上の雲」を読んでみました。 ○心に残る言葉 日本の砲弾は、敵艦船の装甲を打ち破るのではなく、甲板で炸裂し火災を起こさ せ砲台を無力化することを目的としている。兵力の少ない日本海軍にとって、最も 効率的に戦闘する手段の一つ。 日露戦争当時では、一軍の統率は司令官がその人格力をもってやる、作戦の方は 参謀長が受け持つ。基本的にすべて参謀長に任せる。二者択一を迫られた時か、戦 況が紛糾した時のみ司令官が決を下す。 p.184 農業社会=有能無能の価値基準はなく、自然の摂理に従って、きまじめさと 精励さ嵩が美徳。 狩猟社会=それぞれの能力によって部署に配置され、全体の一目標のために機能 する。その中では指揮者が必要。この社会では人間の有能無能が問われる。世界史 的にみて、狩猟民族は軍隊を作ることに熟達している。 p.256 敵よりも大いなる兵力をもって敵を圧倒撃滅するというのは、常勝将軍と いわれるものが確立し実行してきた鉄則。 日露戦争に勝ったことにより、日本がロシア... | ||
坂の上の雲〈8〉 (文春文庫)司馬遼太郎 ¥ 670 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
坂の上の雲〈8〉 (文春文... | |
| 明治期とは、封建時代の呪縛をとかれた力ある若者たちの能力が、縮みきったバネが飛び跳ねるが如くおのおのの空へと躍動していく、そんな時代であったのだろう。 そうした貧しくとも夢のある時代を生きた彼らが、その自己愛とも言うべき野心と共に併せ持った自己犠牲の精神にふれることができた。この潔さが武士道というものなのだろう。 太平洋戦争末期生まれの父を持ち、バブルの醸成期に学生時代を過ごした所謂団塊ジュニア世代の私には衝撃的な内容だった。明治の日本人の純粋さ強さ温かさ、そういった人間力の雄大さをまざまざと見せつけられた。資源のない極東の島国を今日世界第二位の経済大国にまで押上げた強さの基盤はこういった先輩方の精神と血と汗によるものなのだ。 なぜこの尊き精神が団塊以後に継承されなかったのか?戦後教育のあり方がそうさせているのか?単に豊かになったがための堕落なのか?私には答えはわからないが、考えさせられるきっかけとなった。 学生時代にこういった時代小説を読んでいれば私の怠惰な青春時代に一石を投じることができたのかもしれない。 「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」 明治日本のハイライトであ... | ||
坂の上の雲〈6〉 (文春文庫)司馬遼太郎 ¥ 670 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
坂の上の雲〈6〉 (文春文... | |
| 戦いのほうは、敵の退却により黒溝台での凄惨きわまりない危地を、あっさりと脱する。 この巻では、むしろ、明石元二郎が主役といってもよいくらいのサイドストーリーが展開されます。 とにかくこの人が、興味深い人物として描かれていて、印象が深いです。 革命に与えたこの人物の影響は、本当のところどの程度なのか? もう少し勉強したい気持ちになりました。第6巻は、読むペースが明らかに遅くなりました。 黒溝台の戦いでは、ようやく好古率いる騎馬隊の戦闘が描かれるのですが、残念ながらその機動力を活かした痛快な戦闘というものではなく、馬を降りて歩兵として戦うことで圧倒的な兵力をもつロシア軍に対抗するという地味なもので少し拍子抜けしました(少ない兵力で戦うにはそれしか方法がしたのですが)。日本軍最大のピンチとなったこの戦いは、ロシア軍内部の権力闘争の影響もあり日本の不思議勝利で終わります。いわば敵失による勝利といえましょう。 後半は、これまでの苛烈な戦闘についての描写が一休み。バルチック艦隊の遠大な航海、ロシアでの革命活動を促したスパイの活躍、軍艦マーチを奏でる軍楽隊の様子など、日露戦争に関連するサイドス... | ||
坂の上の雲〈5〉 (文春文庫)司馬遼太郎 ¥ 670 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
坂の上の雲〈5〉 (文春文... | |
| 司馬は、戦争遂行における日本人の行動を見つめながら、ロシア人と日本人の違いをなんども語っている。それはひとつの日本人論の姿となっている。日露戦争の一つの山場である旅順開城が主に描写されている。 その司令部(乃木希典・伊地知幸介)の無能をフィクションらしく極大化し、それがドミノ式に起こしていく旅順における人災の怖さというものを見事に描き出したという点では、司馬遼太郎の文芸作品の真骨頂であると言えるだろう。 何しろ冗談のように人命が浪費されていく描写の中で、その浪費の責任者達の責任感・緊張感・現実感覚のなさを(フィクション内の事実として)くどいほど書き連ねるのである。 最初ホラー映画も真っ青の戦慄を覚えるのだが、そのうち頬が笑いながらひきつる感覚を覚えた。 能力の劣る上司を戴くという人災の、滑稽混じりの恐ろしさというのは、強烈だった。 そうそう忘れられそうにない。3巻あたりから登場の児玉源太郎。 今の主人公は、彼であるといっていい。 書き進むうちに、この輝く人物をほうってはおけなくなったのだろう。 遼陽に戦い、二○三高地を落とし、旅順を攻略。 苦労しながら辛くも勝ち進む日本と同時に バ... | ||
坂の上の雲〈7〉 (文春文庫)司馬遼太郎 ¥ 670 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
坂の上の雲〈7〉 (文春文... | |
| 1会戦で、両軍合わせてひとつの都市の人口に相当する兵士が 戦死した日露戦争も最終章に近づいてきた。 乾坤一擲、ぎりぎりの勝利。 日本は、人材に恵まれていたのだろう、 ロシア軍を、日本の大山のような人物がが率いていたら? 大功のみを考え、小節にかかわらないような人物が組織のトップに必要であることを 痛感します。 第7巻は陸戦のクライマックスともいえる奉天会戦と、日本海海戦までのバルチック艦隊と日本海軍の動向を描きます。 陸戦については、ロシア軍を率いるクロパトキンの官僚意識、軍人としての精神力の弱さにより、日本が勝利する様が描かれます。ただ、これはあくまでも局地的な勝利であり、日露戦争の勝利を意味しません。戦中でありながら児玉源太郎が帰京して終戦工作を行うなど、日本としては実力の限界まで戦ってやっとここまでの感があります。著者のいう「戦争における勝利の定義」というくだりを読んで、戦争とは終わらせるために始めるもの、ということをその国の指導者が認識していなければならないと痛感しました(始めないにこしたことはないのですが)。 途中、終戦工作に関する項では、米国やフランス、ドイツの思惑が... | ||
紅花ノ邨 (双葉文庫 さ 19-28 居眠り磐音江戸双紙 26)佐伯泰英 ¥ 680 通常24時間以内に発送 ★★★ |
紅花ノ邨 (双葉文庫 さ ... | |
| 坂崎でも佐々木でも、どっちでも良いじゃないか。 胸の透くような活躍と思わず涙ぐむ人情とを読ませてくれればさ。 と、呟かずにはいられない一冊だった。 山形の地理や特産の紅花に関する知識に触れることはでき、興味深くはある。 盤音の包平がひらりひらりと舞う闘いのシーンも、ある。 会所が意外と人情に篤いという話題も、好きではある。 けれども、筋書きがマンネリ化しているし、メインの話の展開の途中に 多くの登場人物が少しだけ出てきて近況報告をしていく書き方に、 物足らなさを感じずにいられなかった。 それに山形まで行って盤音と奈緒が相変わらず対話するのに対面しない、 という描写に「今さら何を勿体ぶってるんだろう?」という気にさせられた。 どうにも不自然極まりない、のである。 第1巻から続けざまに起こる事件の不自然さは許容できたが、 おこんとの祝言以降の展開の不自然さは、許容しかねるものがある。 不自然な印象の要因は、1冊に色々な素材や要素を盛り込み過ぎるところに無いだろうか。 マンネリ化した土台を隠すためにだろうか?と、斜に構えて見たくなる。 こうした描写方法を、底の浅い作風、と、言い換... | ||
爆撃聖徳太子 (ハルキ・ノベルス)町井登志夫 ¥ 1,000 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
爆撃聖徳太子 (ハルキ・ノ... | |
| 「日出ずるところの天子、日没するところの天子に書を致す」 この書は、本当に聖徳太子の発意によるものなのか、今ではそこから疑問がもたれているが、この作品は、これは太子の手によるものだとして、この挑戦的な言葉の裏に隠された太子の真の意図に迫ります。 この聖徳太子は、かなり強烈な個性を持った人で、一見どころか、五見、六見しても、非の打ち所のないような狂人なのだが、実は誰よりも日本のことを考えている人です。「摂政の仕事とは何か」。念頭にある思いは、このセリフに集約されていたような気がます。 小野妹子は、平凡な暮らしを望んでいたのに、どういうわけか、理由もわからぬまま、太子の巻き起こす渦に巻き込まれ、挙句の果て、高句麗で隋軍と戦うハメに陥ってしまった可哀相な人。そういうわけで、物語後半の舞台は朝鮮です。小野妹子や太子は裏でチョロチョロしていますが、表立って活躍するのは李舜臣と並ぶ朝鮮の救国の英雄乙支文徳将軍。彼の活躍もこの小説の見所の一つです。 果たして、太子の真の意図とは何か。ついでに、なぜ太子には「耳」に関する伝説が多いのか、作者ならではの見解を示してあって、それにも思わず「な... | ||
陽炎ノ辻―居眠り磐音 江戸双紙 (双葉文庫)佐伯泰英 ¥ 680 通常24時間以内に発送 ★★★★★ |
陽炎ノ辻―居眠り磐音 江戸... | |
| 「おい、熊公。あそこの茶店で小さな双紙読んでるお侍を見てみな」 「なんだい信吉」 「さっきからすんげぇ目してじっとあの双紙を読んでるんだよ。なんかに魂を抜かれたみてぇだ。あら、いきなり笑い出したよ」 「そんなにあの双紙がおもしれえのかね」 「ああ、四半時(30分)もあの有様だ。おや、今度は・・・あれっあの侍、目が潤んでるじゃねぇか。泣いてんのか。泣いたり笑ったり忙しい侍だね」 剣あり、恋あり、涙あり。読後気分爽快万事祝着。 磐音シリーズ既刊23冊全巻を読み終りました。結論として、面白さから言えば、これほど面白い小説を知りません。ほかの小説が読みたくなくなるほどです。 これまで佐伯泰英さんの作品についてまるで知らなかったのですが、テレビで山本耕史と中越典子の連続ドラマを見て、主人公の磐音とおこんの大ファンになり、即刻、本を購入読み始めたら、面白くて途中でやめられません。たちまち、既刊23冊全部を読み終えてしまいました。あと、読む本がなく、しばらくぽかんとしてすごしました。そして作者が第23巻「万両の雪」のあとがきで、50冊くらいまでは書き続けるといっているので、続編が出るのを心... | ||
駿河城御前試合 (徳間文庫)南條範夫 ¥ 920 通常24時間以内に発送 ★★★★ |
駿河城御前試合 (徳間文庫) | |
| 言わずと知れた「シグルイ」の原作を含む連作もの。 表紙がモロ「シグルイ」の二人の対峙場面! 多くの評どおり、 パターンが似通っています。 ・どちらか、もしくは双方が剣の達人 ・必ず傾城の美女がからみ、恋がらみ そして、南條氏が初期に書かれたらしい、 前半の試合は鬼気迫る魅力に溢れています。 短いページで言の葉少なくとも 行間に剣士たちの眼光、息遣いが まるで側にいるかのような筆致には 舌を巻くしかありません。 後半は“小説として”巧くなっています。 その分、前半に比べて迫力が薄いのが残念……。 そこのみにて☆1つ減点。 しかししかし、 どちらの勝ちで勝負が決するのか、 どちらが生き残るのか、 どの部位が断ち切られるのか…… は最後の行を読むまで不明した。 久しぶりに徹夜で文庫を読んでしまった自分に ビックリしてしまいました。 良質な剣豪小説をもっと読んでみます! ビバ、チャンバラ! ビバ、サムライ!特に盛り上がりもなく、あらすじを読んでいる感じでした。 シグルイの脚色がすごいのですね。 この作品は非常に楽しめた。南條 範夫の小説は初めて見ましたが、文体も仰々しくなく、適度... | ||